○岡崎市市民協働推進条例

平成21年3月27日

条例第8号

本市は、豊かな水と緑に囲まれた環境の中、城下町、宿場町として古くから栄え、良好な地域社会を築いてきました。私たちは、将来においてもこの環境を守り、地域社会を育てていかなければなりません。

しかしながら、従来の行政手法の継続では、少子高齢化社会を始めとする地域社会の変化や、今日の多様な価値観とそのニーズの変化に対応した公共サービスを提供していくことが難しくなっています。また同時に、市民への説明責任や市民満足度の向上を果たすことが求められています。

今後の公共サービスのあり方としては、市民協働を推進することにより、地域社会における必要な施策、活動、各種事業などの取組に市民の声を届かせることが必要であり、市民・市民活動団体・事業者・市が対等な立場で助け合い、支え合い、分かち合いの相互の関係を持ち、それぞれが自立していかなければなりません。

市民協働の根本にあるのは、お互いの立場を尊重する思いやりです。そして、思いやりを持った、やさしさを感じる社会を築き、真に豊かで暮らしやすい、市民が主体のまちを育てることが必要です。

市民協働の推進は、お互いが思いやりを持つことにより、各主体だけでは成し得ない創造的状況を期待するものです。そして、安心して住み続けられる、ぬくもりのある人間性豊かなまちを育て、本市の伝統や文化、自然を守り、市民に愛される地域社会を持続し、発展させ、さらには、子どもたちに明るい未来を残すため、市民協働を推進する条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、市民協働の推進について基本的な理念を定め、並びに市民、市民活動団体、事業者及び市の役割を明らかにするとともに、市民協働に関する施策及び市民活動の基本となる事項を定めることにより、これらを総合的かつ計画的に推進し、もって市民協働の推進を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民協働 市民、市民活動団体、事業者及び市が対等の立場で相互の関係を持ち、地域における公共的活動について、各主体だけでは成し得ない創造的状況が生まれることをいう。

(2) 市民活動 不特定多数のものの利益の増進に寄与する活動又は良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動であって、次のいずれにも該当しないものをいう。

 営利を目的とするもの

 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを主たる目的とするもの

 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの

 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下において同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするもの

 公の秩序又は善良な風俗を乱すおそれがあるもの

(3) 市民活動団体 市民活動を行うことを主たる目的とする団体をいう。

(4) 事業者 営利を目的とする事業を行う個人又は法人をいう。

(市民の役割)

第3条 市民は、地域の発展のために、市民活動に参加し、協力するよう努めるものとする。

(市民活動団体の役割)

第4条 市民活動団体は、自主性をもって市民活動を推進するとともに、その活動が広く市民に理解されるよう、市民活動に伴う情報を公開するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、地域社会の一員として、市民協働に関する理解を深め、自発的にその推進に協力するよう努めるものとする。

(市の役割)

第6条 市は、市民協働によるまちづくりの推進に関する施策に、総合的かつ計画的に取り組むよう努めるものとする。

(基本施策)

第7条 市は、市民協働及び市民活動を推進するため、次の施策について積極的に取り組むものとする。

(1) 市民協働に関する情報の収集及び提供

(2) 市民活動の支援及び推進

(3) 市民活動団体等の連携の推進及び強化

(4) 市民活動拠点の充実

(5) 市民協働の推進体制の充実、仕組みづくり、財政的支援等

(6) 前各号に定めるもののほか、市民協働及び市民活動を推進するため市長が必要と認めるもの

(市民協働推進委員会)

第8条 市は、市民協働の推進に関する必要な事項を審議するため、岡崎市市民協働推進委員会(以下この条において「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、市長の諮問に応じ、市民協働の推進に関する重要事項を調査審議し、市長に意見を述べることができる。

3 委員会は、10人以内の委員をもって組織する。

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

(登録制度)

第9条 市は、市民活動団体に関する活動の促進、市民活動団体等の連携及び情報の共有等の市民活動団体への活動支援を効果的に行うため、市民活動団体の登録制度を設ける。

2 市民活動団体は、規則で定める要件を備えることにより、市の登録を受けることができる。

3 前項の規定により登録を受けた団体は、第7条に規定する基本施策に基づき実施する市の支援を受けることができる。

4 市は、規則で定める要件に該当しなくなった市民活動団体について、その登録を取り消すことができる。

(規則への委任)

第10条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成21年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に岡崎市地域交流センター条例(平成16年岡崎市条例第36号)第2条第2項の規定により登録を受けている市民活動団体は、第9条第2項の規定により登録を受けた市民活動団体とみなす。

(岡崎市地域交流センター条例の一部改正)

3 岡崎市地域交流センター条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(岡崎市図書館交流プラザ条例の一部改正)

4 岡崎市図書館交流プラザ条例(平成19年岡崎市条例第58号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

岡崎市市民協働推進条例

平成21年3月27日 条例第8号

(平成21年7月1日施行)